2002/09/05
こんにちは。 3日目は、アルザスに居ます。

コルマールより少し北のビエブルネイムという小さな村の民宿に泊まっています。

1日目はシャンパーニュからアルザスまでの移動に5時間弱かかりました。
インターチェンジで電話した通り、私も少し運転をしています!

夕方からリクヴィルという、観光地&花の綺麗な町で、ソムリエナイフ、ブドウ、
タストヴァンのかわいいピンバッチを購入。

そのあと帰り道がてら、ポール・ブランクに立ち寄ってみました。

FAXでアポイントを頼んだのですが、返事がなかったので直接訪ねたんです。
フレデリックが大急ぎで駆けつけてくれました。どうやら、ヴァカンス中
だったみたいです。  結局、それから秘書さんとティスティング。
畑見学は明日ということになりました。

夜は三つ星、オーベルジュ・ド・リルへ行きました。

レストランに入るとすぐに川岸のテラスへ案内され、
アペリティフを勧められました。  私はアペリティフ・メゾンの
自家製グリオット・リキュールを デュバル・ルロワのシャンパーニュ
割った シャンパンカクテル。ちょっと甘みが濃かったけれど、おいしかったです。
同行のソムリエは、ミュスカ・ダルザス。白ワインを注文。
川岸から日が沈んでいくのを眺めながらチーズのチュイルと
フォワグラのタルトレットをつまみながら
メニューを決めていきます。
私たちは2人そろって、前菜にスペシャリテのフォワグラのテリーヌ
主菜は青首の鴨(コルベール)を注文しました。
コルベールのロースト

ワインはトリンバックの89年。リースリング、
クロ・サン・チューヌ、ヴァンダンジュ・タルティブ

色は濃く、輝く山吹色。香りはやや金属的なミネラル香を感じ、
やや貴腐菌の香り、カリンのジャム、白こしょう粒などの香辛料、黄色い花の印象。
味わいはしっかりとした酸と甘みが凝縮されている。
良い年だけに、まだまだパワフルでした。アルコールのボリュームがあるのに
優しい口当たり。。ついつい口に運んでしまいたくなるワインです。
余韻も長く長く続きます。酸が前面に出ず、でも
ワインを支えている。素晴らしいワインでした。

アミューズにルージェ(イトヨリのようなお魚)をポワレし、
下にほうれん草とセップ茸のソテーをしいたもの。
 ルージェの質が悪かったので、生臭くなってしまっていました。。
ワインとの相性は試すに及ばず・・

フォワグラのテリーヌ。
中心に飾り程度のトリュフがはいっています。
横には塩加減ばっちりのコンソメジュレが添えてありました。
アツアツのトーストに乗せると、香りがより引き立ちます。
ワインとの相性も良く、ワイン自体で飲んだときに感じるミネラル感が丸みを帯びた
甘みへと変わります。

コルベール(青首の鴨)のロティ。
赤キャベツのシュークルート仕立て、赤ワインソース。エピス風味。
イチジクの丸ごとロティポレンタ添え。

鴨は丸々1羽でのロティ。すなわち、2人前でないと注文できないお料理です。
目の前で2人がかりで手早くデクパージュ。
湯気が見えるほどアツアツ状態です。
皮目に香辛料がまぶしてあり、カリッと焼き上がっています。
身は柔らかく、焼き加減も上々。
皮と身を口に含むとパリッ、ジュウ〜と楽しい食感でした。
イチジクは生の状態の色合いを保ったまま焼かれており、
かなり鴨との相性を意識していると思います。
ポレンタはトウモロコシの粒が入っていて、濃い〜コーンポタージュを
食べたときの味。塩が強かった!
赤キャベツはヴィネガーが甘いお皿のアクセントとなっていて、美味しかった。
でも、ワインとは合わない。
ワインを飲むときは鴨とイチジクを一緒に口に運んでから飲む!
あらゆるミネラル分が結びつき、  もうシアワセ。
その後、腿の部分が小さなサラダとともにサービスされます。

お腹一杯になり、デザートも入らない。お茶はちょこっとなら入りそう。
デザートは2人ともパス。
ヴェルヴェーヌのハーブ・ティーを一つ頼みました。
 フレッシュ・ハーブが入っていて、美味しかった。

プチ・フールも山のように出てきて大変でした
。お持ち帰りにしました。。
エーベルランさん、ここのオーナーのおじいちゃんが、
テーブル毎の挨拶に回ってきました。
 私たちが日本人でソムリエであると話すと、
”2ヶ月前にミクニが来たんだよ”なんて話してくれました。
その後、ソムリエが”エーベルランさんからです。
”と食後酒を勧めにやってきました。
同行のソムリエは、ポワール・ウィリアムを一杯。
私は倒れそうだったので、丁寧にお断りしました。

そして、大満足してレストランを後にしました。
これで、アルザス1日目はおしまい。

Masako TANAKA

                                        2002/09/06
こんばんは。
今日は朝9時半から、ポール・ブランクへ。
昨晩、押し掛けて行った甲斐があり、畑見学へフィリップとともに出かけました。
左から SGN=貴腐
   ゲブルッ・トラミナー
貴腐葡萄 Philippe Blanck

同じ時間のアポイントに、イギリス人カップルがいましたが
彼等はふつうのサラリーマン。ワイン関係の職業でもないし、
特に興味がある人にも見えなかったのでが、付き合わせてしまったかも?

まず、クラシックをつくっている畑。
品種の違いや貴腐ぶどうについて、ブドウを食べながら説明してくれました。

そのあと、アルテンベルグ。
この畑の中では、ヴァンダンジュ・タルティブを産する区画があり、
れらの木はほぼ毎年貴腐菌をつけるそうです。”何故か?”
”なぜならば、土地、気候によってつくのだけど
いつも、その場所に貴腐菌が住んでいるから付く。

貴腐菌の付いたゲブルツトラミネールを食べさせてくれました。
見た目は気持ち悪いけど、食べてみたらビックリ!!
オレンジ・ピールのコンフィーを食べているような味わいでした。

次にフルステンタン、グラン・クリュ
アルテンベルグから車でさらに斜面を登り、駐車。そこから徒歩でさらに登る。
しばらくすると、赤土の表土、ごつごつした石や石灰岩や花崗岩が見える。
ここでもブドウの食べ比べ。標高が平地部分に比べて、100メートル高く、
気温も1℃違う土地のため平地より熟すのが、10日ほど遅いそうです。
そのため、ブドウを食べても苦さや青さが先に感じられてブドウの良さを
知ることが出来ませんでした。

このような経験は、本当に収穫前のブドウが実っている時期にしか
体験できない事でした。
今の時期、右を向いても左を向いてもブドウが実っていますが、
葉や実を見ても品種を判別することが出来ないくらいだったのに、
食べてみて分かることが出来、とても勉強になりました。
その後、駆け足でカーブを見学しておしまい。

試飲は昨晩したので、私たちは一路、アルザス最南端、タンの畑へ。
車を飛ばすこと、30分。
ここには、ショフィットのクロ・サン・チュルバンの畑があります。
一ヶ月前に訪ねたときは、この急斜面を登ったり下りたりして畑仕事の
大変さを(たしか傾斜30〜50℃)身をもって体験しました。
ズルズルと足下が滑って、本当に怖かった。。
ベルネールさん、奥さん、娘のキャロリーヌ、奥さんのお兄さん夫妻、
プレキシール(犬)と9人+一匹で汗だくになったことを思い出しました。
この斜度解ります? 横から見た畑
Madams

同行のソムリエからタンの感想を〜
こんな畑で葡萄を作るのは本当に難しいと思う
ヴァンダンジュも大変そうだ。

さて、それからサンドイッチを片手に午後2時からの アポイント先、
アーネスト・ビュルンへ向かいました。ここは日本には10年ほど前に、
一度だけ輸出したことがあるだけで、ほぼ国内消費。フランス国内でも、
アルザスとわずかばかりの顧客に卸しているだけだと話していました。

ここの目玉は、クロ・サン・チメールというゴルデールという
グラン・クリュのキュベです。しかしながら、
熱弁して紹介したくなるような要素は感じられなかった。
。残念。。
おじさんは2代目で、無口でクラシック音楽が大好きな、多趣味そうな人。
ワイン造りも、趣味の一つって感じでした。
畑見学に熱を入れている私たちは、漏れなくここのクロ・サン・チメール
見に行ってきました。畑の真ん中に教会があり、
ちょっと不気味な感じ。

トータル的に畑の管理状態や清潔さは無く、ブドウの凝縮味などもイマイチ。。

ワイン街道のワイン巡りはここで終了。
次なる目的は、ジャム!
ニダモルシュヴィール村のクリスティヌ・フェルベールさんのパティスリーがある。
様々なフルーツのコンフィチュールやジュレがあって、見た目にも楽しい。
ここで、私も大好きなオレンジジャムをお買いあげ〜!

いよいよ疲れはじめた私たちは、帰路民宿へ。
帰り道に、初日から狙っていた”農家製、リンゴジュース”を2本買い
(一本、1リットルで1.7ユーロ)

いったん民宿に戻り、シャワーを浴びて、再度夕食を食べにリクヴィルへ。
(夕食に出かける前に橋本さんの先輩のユカさんを訪ねました。)
レストラン・ティル・ブッションという店に行き、アルザス・ビール
ミュスカ・ダルザス、リースリングを飲みながら、
サーモン・マリネ、タルト・フランベ、シュークルート、
豚の足のソーセージを焼いたものにピノ・ノワールソースをかけたもの、
をお腹一杯たべました。

アルザス地方には、普通のお野菜や葉っぱの入ったサラダは、
ほとんど見かけることが出来ませんでした。旅の間はなるべく野菜を取るよう
心掛けているんだけれど、難しかった〜!
そして民宿に戻り、お休み。

雅子


                                       2002/09/07
こんばんは。

さて、今日は朝9時半ごろに民宿を出発。
エギスハイムという、花々がキレイに飾ってある町を散策しにでかけました。
曇り空だったので、キレイに写真が撮れなかったのが残念。。
小さな町なので午前中には見終わり、 もう一つ、カイゼルスベルグという村も散策。

小ヴェニスのような可愛らしい、しかしとても古い町並みを散策。
コウノトリも住んでいて、友人は感激していました!
 そこでお昼ご飯。

サラダ・アルザシエンヌ、これはグリュイエール・チーズと
 ハムを短冊切りにしたものを ドレッシングであえて、ほんの少し葉っぱを
しいたサラダ。ハム入りオムレツ。普通。若干、火が通りすぎだった。
雛鳥のリースリング煮。


生クリームが少し加えてあるけれど、軽やかな料理だと思う。
必ずパスタの類を添えて、ソースを絡めながら頂く。 
ワインはピッシェのリースリングをドゥミで。

さて、一路ナンシーへ。
ヴォージュ山脈を越えていかなければならないのですが、
山道に酔いそうな私は寝ました。。。
友人が、1時間ほど運転したころ目が覚めました。
そこは、なんとあの。。クリスタル・バカラの発祥の地。”バカラ”です。
さぞや豪華な町かと思っていたら、意外や意外!

町中にスピーカーで音楽が流れ、雰囲気は田舎の温泉街とでもいったところ。
まずは、バカラのクリスタルで造られているという
サン・レミ教会のステンドグラスを見学。
バカラ博物館でたっぷり目の保養をした後、
バカラ・ブティックへ
優雅な雰囲気を味わいに行きました。
バカラ・ブティツク

寄り道をしてすっかり遅くなってしまったのですが、
ナンシーへ向かいました。
夜7時ころに到着して、ちょっと休憩。そしてメールチェック。
夕飯を近くのブラッスリーで取って帰ってきたところ。

今日はトマトサラダ、タルト・フランベ、豚のもも肉のロースト・
ポテトフライ添え。雅子はワインからスタート。
ピッシェでドゥミ、エデルツウィッカーを飲みました。

お風呂に入ったので今から寝ます。
それでは〜

明日は、ナンシーに向かってヴォージュ山脈を越えます。
           戻る                         つづく

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Masako TANAKA
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勝手にコメント マダムのお稽古 2001/09/17